元カレ



私の腕を離して、亮くんは脱力したみたいに黙り込んだ。


その隙に逃げるように歩いて、学校に向かった。



学校に行けば当然、莉亜の事は話題になってた。


「大丈夫?」と私を心配してくれる人もいた。



ちょっと前までは、すっごく幸せだったのに……。


全部狂った。
亮くんのせいで、何もかもが……。



この日、朝にキツく言ったせいか、亮くんはチラチラと私を見てきたが絡んでくる事はなかった。



この日だけじゃなかった。


次の日も。
そのまた次の日も。
視線を送ってくるだけで、絡んでくる事はなかった。


近づいてこなくなって、安心した……はずなのに、少し怖さもあった。


まるで嵐の前の静けさみたいで……。

ストーカー行為だってまだ続いてる。



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