元カレ
気がつくと、私は手を後ろに回されてガムテープで拘束されてるようだった。
足も拘束されてる。
口もガムテープが貼られてる。
目の前は真っ暗。
目隠しされてる……。
「んっ、んー!!」
喉から、どうにか声を絞り出してみたが、人の気配がしない。
自分の声が虚しく響くだけ。
ここは、どこなの……?
しばらくしてコツコツと足音が聞えた。
その足音は、私のすぐそばでピタリと止まった。
誰……そこにいるのは……。
「れーな」
聞えてきたのは、高い気持ちの悪い声。
あぁ、これ……スプレーで声を変えてるんだ。