元カレ
強い嫌悪感は憎悪へ
行為の後、彼は私の手足を拘束していたガムテープを取った。
「最高だったよ、玲奈。またしような」
気持ち悪いセリフを残して、遠のいていく足音。
私はしばらく、グッタリしたまま動けなかった。
何で……どうして、私が……。
心も体もボロボロにされないといけないの……?
やっとの思いで体を起こし、口のガムテープを剥がし、目隠しを取った。
窓からの月明かりに照らされて見えた室内は、廃墟になったビルの一室のようだった。
「ここって……」
しかもこの廃墟は、私がよく知ってる場所だった。