元カレ
私、とうとう体を汚されたんだ……。
あいつに無理矢理……。
沸き上がってくる怒りと悲しみ。
その時、携帯が鳴った。
メールが届いた。
差出人は……村田くん。
「村田くんっ……」
すがる思いで、村田くんに電話をかけた。
『はい』
3コール目くらいで村田くんは電話に出た。
「ごめんね……いきなり……」
『玲奈ちゃん、どうしたの?何か、あった……?』
携帯越しに聞こえてくる優しい声に安堵して、更に涙が込み上げてくる。
「助けてっ……助けて、村田くんっ……」
泣きながら、子供のように彼に助けを求めた。
何かを察したのか、村田くんは優しい口調のまま「今どこにいるの?」と聞いてきた。
場所を伝えると、すぐ行くねと言って電話を切った。