元カレ
「いやぁっ!!触らないでっ!!」
「玲奈、落ち着いて!少し話がしたいだけだからっ」
恐怖。
怒り。
心も体も、彼を拒絶してる。
「玲奈、昨日……日直だったよな?帰り、遅くなったんじゃないか?」
どうして……。
昨日、あんな最低な事したくせに。
何で平然としてんの……?
「帰り、大丈夫だった?何もなかったか……?本当は日直の仕事、手伝いたかったんだけど……」
「随分と、白々しい芝居だね」
掴まれていない方の左手をポケットに突っ込んで、カッターを取り出した。
素早く刃を出して、それを彼に向けた。
「玲奈……」
「私に近づかないでっ!!ちょっとでも近づいたら、これであんたを切り刻むからっ……」
「っ……」
「私は、あんたを絶対許さないっ……!!」