元カレ
私の腕を離して、丸川亮は体を小刻みに震わせ始めた。
本当に白々しい奴……。
「玲奈、俺は本当に……」
「とにかく今後一切、私のそばに来ないでっ」
それだけ言って、走ってその場を後にした。
言い逃げって形になっちゃったけど。
少しは威嚇になったはず……。
学校に登校して、友達としゃべる気にもなれなくて、机に突っ伏した。
しばらくして遠慮がちに肩を叩かれた。
ゆっくり顔をあげると……。
「……っ」
「玲奈……」
何か言いたそうな顔で、丸川亮が私のすぐ目の前に立っていた。