元カレ
「えっ、村田くんっ……」
アタフタしてると……。
「何してんの?」
「っ……」
後ろから聞こえてきた声は、丸川亮のもの。
私は身動き取れずにいた。
「村田……わざわざ何しに来たわけ?」
「……」
「帰れ……帰れよっ!!」
ピリピリした空気。
ねぇ……。
何であんたは、村田くんにそんな敵意むき出しなの?
「今日は、キミに話したい事があって来た。2人だけで話がしたい、丸川くん」
「……わかった」
私が有無を言う暇もなく、険悪な空気のまま2人は歩いて行ってしまった。
不安そうな私に、村田くんは耳元で、
「心配しないで。上手く言うから」
と優しく言った。