元カレ
「さっさと警察に行けば?学校も、退学してさ……」
上履きに履き替えながら、彼の方を一切みずにわざと棘のある冷たい言い方をした。
「悪い事しといて、何でのうのうと学校生活送ってんの?」
「……」
「ほんっとにいいご身分だよねー」
「……」
「昨日見せてきた痣、自分でやったんじゃない?私に同情してもらおうと思って、自作自演したんでしょ?」
「……何でっ!!」
バンッと、彼は勢い良く拳で下駄箱を叩いた。
そこで私は初めて、彼の顔に視線を向けた。
「何でっ……そんな事言うんだよっ!玲奈は本気で俺が全部悪いって思ってんのか!?」
「だって現に、あんたは昨日、村田くんの右目を刺したでしょ!?そのせいで村田くん、失明したんだよ?」
「俺はそんな事してないっ!!頼むから信じてくれよっ……!」