元カレ
裕太は何でもズバズバ言える存在でもあるけど、元カレの事はやっぱり言えない……。
それに私は、亮くんに「別れよう」とは言ってない。
あんな事件があって。
亮くんが急に引っ越しちゃって。
そのまま疎遠になった……。
これって……自然消滅って言うのかな?
彼から連絡が来る事を恐れて、メアドも電話番号も変えたし……。
「れーな、もうすぐ授業始まるぞ!ボーっとし過ぎ」
「え、あぁ……」
「また爆睡すんの?」
「しないもん!」
ポンポンと私の頭を撫でて、裕太は自分の席に戻っていった。
心の片隅で時折思うんだ。
今カレである裕太とは、このままずっと笑い合っていたいなって……。