元カレ
「えっ……」
ビクッとしながら、恐る恐る顔を上げると前に立っていたはずの亮くんが私の机の前に立っていた。
「玲奈、久しぶりっ」
「っ……」
「また会えるなんて、奇跡だね……」
私の顔を覗きこみながら、亮くんは目をキラキラ輝かせてる。
クラスメイト達はみんな不思議そうにこっちを見てる。
もちろん裕太も。
「えっと丸川、とりあえず席に座ってくれないか?」
先生にそう言われ、亮くんは「はーい」と返事をして。
「これからよろしく、玲奈」
と私の耳元で言った。
もう会う事はないって思ってたのに……。