元カレ
だけど予想に反して、蛍さんは今までの母親とは違った。
「おかえり、亮くん」
「ただいま……」
俺が家に帰ったら、必ず笑顔で出迎えてくれる。
今まで、母親になった人達はみんな、父さんにはつくしていたが、俺には無関心だった。
晩ご飯は「自分で適当に作って食べなさい」って言われるか、コンビニ弁当のどちらかだった。
「亮くん、今日の夕飯はシチューでいいかな?」
「は、はい」
でも蛍さんは毎日必ずご飯を作ってくれた。