元カレ
空き教室の鍵が閉められ、亮くんに肩を押されて壁際へ追い込まれた。
呆気なく逃げ場を失った。
「……玲奈」
「っ……」
「ねぇ……玲奈」
ジッと、見てる。
吸い込まれるような視線で、亮くんが私を見てる。
怖い。
あの頃と同じ、突き刺さるみたいな視線。
怖くて、真っ直ぐ見れない。
「嫌っ……!!」
「玲奈っ……」
怖くて逃げようとした。
けど亮くんはそれを必死に阻止するかのように、私の体を壁に押し付けた。