元カレ




裕太の言う事は、正しいと思った。


だって今日は、休憩時間のたびに亮くんが私に絡んできた。

私と裕太の間に割って入ってきた……。



「付き合ってたのは過去の事ってわかってるけど……何か、モヤモヤした……。ごめん、勝手に妬いたりして」


「ううん。話してくれて、ありがとう」



少し間を置いて裕太は「そういえば……」と再び口を開いた。




「別れた理由って、何なの……?」


「えっ……」


「あ、ごめん……。ちょっと、気になったから……」



理由は……それは……。




「デリカシーのない事聞いて、本当にごめん……。答えないでいいよ。ごめんな、玲奈」


私は咄嗟に裕太の手を握った。



< 32 / 230 >

この作品をシェア

pagetop