元カレ
裕太の言う事は、正しいと思った。
だって今日は、休憩時間のたびに亮くんが私に絡んできた。
私と裕太の間に割って入ってきた……。
「付き合ってたのは過去の事ってわかってるけど……何か、モヤモヤした……。ごめん、勝手に妬いたりして」
「ううん。話してくれて、ありがとう」
少し間を置いて裕太は「そういえば……」と再び口を開いた。
「別れた理由って、何なの……?」
「えっ……」
「あ、ごめん……。ちょっと、気になったから……」
理由は……それは……。
「デリカシーのない事聞いて、本当にごめん……。答えないでいいよ。ごめんな、玲奈」
私は咄嗟に裕太の手を握った。