元カレ
「付き合ってた頃はいつも一緒に登下校してたね」
「うん……」
「玲奈ってば、いつも家の前で俺が来るのを待っててくれたよね」
「そう、だっけ……」
3人での登校。
流れるのは不穏な空気。
亮くんはさっきから、付き合ってた頃の話しかしない。
裕太がしゃべる隙を与えないように、一方的に。
「玲奈、俺が迎えに来るの待ち遠しかったんでしょ?本当に可愛いね」
「……」
違うよ。
怖かったからだよ。
束縛が酷くなっていく亮くんが怖くて、機嫌を損ねないように必死だっただけ。
「だから……正直、不思議でたまらないな。玲奈に、新しい彼氏ができるなんて」
亮くんの冷たい視線が裕太に向けられた。