元カレ





この日、私はほとんど放心状態だった。



「玲奈」


「……」


「玲奈ってば」


「……」



放課後、私がどんなに無視しても亮くんはしつこくつきまとってきた。



「一緒に帰ろう。家まで送るよ」


「送ってくれなくていい!!」



冷たくしても、ついてくる。


まるで……ストーカーみたい。




「てゆーか、玲奈の家……こっちじゃないじゃん」


「関係ないでしょ?」


「……あいつのお見舞い、行くの?」



彼の言う“あいつ”が誰を示すかは、すぐわかった。



< 57 / 230 >

この作品をシェア

pagetop