元カレ
「もう、ほっといて……」
図星だけど、「うん」とは言えなかった。
だって……。
「そんなに嬉しいの?裕太が重症を負って入院したのが……」
「え」
「今朝、私見たんだよ……?亮くん、嬉しそうに笑ってたでしょ?」
「……」
正直、私は疑ってる。
裕太を襲ったのは……。
「そりゃあ……嬉しいに決まってんじゃん。邪魔者がいなくなってくれたんだから」
もしかしたら犯人は、亮くんなんじゃないか、という考えがずっと脳裏をよぎってる。
―パンッ
「最低っ……」
私の平手は、勢い良く彼の頬に命中した。