元カレ
そのままずっと裕太のそばにいた。
いつの間にか面会時間は終わって、看護師さんに「早く帰りなさい」と言われた。
そばにいたい、と言ったが結局帰されてしまった。
「裕太……」
病院を出て、すっかり暗くなった空を見つめながら、ポツリと呟いた。
そして、帰り道の事だった。
小さな異変が起こったのは……。
―コツコツ
家までの道を歩いてると、後ろから聞こえてくる足音。
その足音はずっと私の後ろをついてきてる。
つけられれる……?
自意識過剰なだけかな?
―カシャ
「え……」
微かに聞えてきたのは、カメラのシャッターのような音。