元カレ
「玲奈」
後ろから聞こえてくる私を呼ぶ声。
震える体。
肩に手が置かれた。
「震えてるの?保健室でゆっくり休んでる……?」
「亮、くん……」
「ちょっと、玲奈に気安く触らないでよ」
莉亜は亮くんを睨みつけながら、私の肩に置かれた手を払ってくれた。
「……触るくらい、別にいいじゃん。付き合ってた仲なんだし、近いうち……復縁すると思うし」
「っ……勝手な事言わないでっ!!もう、私のそばに来ないでっ……」
亮くんを睨みつけ、授業開始のチャイムが鳴る寸前だったが、早足で教室を出た。
少し保健室で休んでよう……。