元カレ




「裕太、今日は莉亜も来たよ」


「桜井くん……」


いつものように裕太のお見舞いに行った。

相変わらず意識不明のまま。


たまに思う。
このまま一生目覚めなかったらどうしようって……。



結局、この日も裕太は目を覚ます事なく、気付けば面会時間が終わっていた。



「玲奈、家まで送るよ」


「え、いいよ。もう遅いし……」


「なーに言ってんの!裕太が玲奈のそばにいれない今は、私があんたを守るのよ!いいから、大人しく私に送られなさい」



断ったが、莉亜の勢いに押されて、そのまま送ってもらった。



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