君を追いかけて
杏里と同じクラスだったらいいなぁ…
そんなことを思いながら歩いていると
女子たちの話声が聞こえた。
「みてみて!あの人ちょーかっこよくない?」
ふと、あたりを見回すと人だかりができているのが見えた。
「香穂!いけめん、気にならない?」
「気になる!」
杏里に連れられて、人だかりがある方に行ってみると
1人の男子が女の子達に囲まれていた。
「いたいた!あの人じゃない?」
「え、どこー?」
透き通った茶色い目に、黒い髪の毛。
ちゃらちゃらした感じでもないし、おとなしい感じではない。
そこにいたのは、まぎれもなくあの人だった。