君を追いかけて
~さかのぼること1年前~
「何にでも真剣な星野のことがずっと好きでした。付き合ってください!」
突然言われたそのセリフ。
こんなことをいってくれたのは彼が初めてだった。
あたしは、何がなんだかわからなかった。
嬉しくて嬉しくってたまらなかった。
「あっ、あたしなんかで
よければ…」
泣き出しそうなぐらい嬉しい気持ちを抑えて
そう言った次の瞬間。
「ばっかじゃねぇーの?」
彼の冷たい一言が、現実を教えてくれた。
「はははっ」
大きな笑い声とともに、彼の後ろから現れたのは、複数の男子軍だった。
そのなかに女子もいたっけな?
あいつらは、あたしを見ながら言ったんだ。
「おまえみたいな地味でつまんねぇやつ、相手にするわけないだろ?」
って。
そうだよね。
こんなの信じたあたしがばかだった。
一粒の涙が頬を伝った。