君を追いかけて
その時だった、
「なにやってんの?」
低い声が響いた
みんなが一瞬でその人の方を向いた
「そーゆーのって、くずがやることだよな。」
「は?」
とっさにリーダーらしき男子が答えた。
「俺にはお前らの方が、よっぽどつまんねぇやつに見えるけどな」
「てめぇ…!」
あぶない!!
と思ったとき、その人は片手で殴りかかってきた拳を止めていた。
「まだやるか?」
「す、すみませんでした!」
男子軍はおじけづいたのか、とっさに逃げてしまった。
あんまり覚えてないけど、
きっとあたしはこの時、好きなってしまったんだろう。
その人のことを。