君を追いかけて
ふわふわする。
まるで、お姫様抱っこでもされてるみたいに…
心地よくて、とってもいい匂いがした。
気がつけばそこは保健室だった。
あたしは気を失っていたらしい。
「香穂!気づいたか?」
目の前に立っていたのは、立花 咲月
あたしの唯一の幼なじみだった。
「咲月…?」
「よ、よかった…」
咲月は、暗くて地味なあたしと一緒いることをばかにされても
いつもそばにいて元気づけてくれて、
かっこづけてるとこもあるけど
本当はやさしくて思いやりのあるやつってことはあたしはよく知ってる。
いままで何度、咲月に助けられて来たんだろう。
「香穂…ごめんな、気づいてやれなくて」
咲月のその優しい声に自然と気持ちが穏やかになっていった。