君を追いかけて
杏里と思い出話に花を咲かせていると
咲月が、リュックを背負い始めた。
「んじゃ、俺部活行くわ」
もう行っちゃうんだ…
部活なら仕方ないよね…
「そっか。ありがとね!」
「おう!じゃあな」
咲月が帰った後、少しして杏里も帰ってしまった。
ガラガラガラ
ふと、ドアの方を見ると保健室の先生がいた。
「あら、星野さん?気がついた?」
そっと話しかけてくれた。
「すいません心配かけて。もう大丈夫です…!
「お礼なら彼に言いなさい。
あなたが廊下で倒れていたのをここまで連れてきてくれたのよ。」
「え…?」
「たしか…橘くん?だったかしら?
彼あなたのこととっても心配していたの よ…」
え…
咲月が…?
知らなかった。
いままで、どんな時も一緒にいてくれて
ただの幼なじみだと思ってた
でも、あの時あたしを助けてくれた人が咲月なら
一生、咲月について行きたい。
保健室の窓から、運動場を眺めながら
ため息をついた。
あたし変わらなきゃ
いままでどれだけ咲月や杏里に迷惑かけてきたんだろう。
もう、過去なんてどうでもいい。
前を向いとけば大丈夫。
ばいばい。昔の自分。