ラブモーション


うとうとと瞼がくっつきそうになってきときだった。

ガラッという扉を開ける音が耳に入ってくる。


「うー・・・」


私は寝ぼけたように唸りながら目を擦ると、ごろんと寝返りを打った。

ぎしっとパイプ式のベッドが軋む。


はっと気づいたときには、仕切りのカーテンは開けられていて、眩しいくらいの光が目を突き刺す。

誰だと思いながら振り返る。逆光でよく見えないけれど、目を細めながら入ってきた人物を見つめた。


「だれ、・・・・・・・・」


すっと逆光がひいていったあと、私は入ってきた人物の正体を目の前にして息を呑んだ。


「な、永倉くん・・・なんでっ」

入ってきたのは、永倉くんだった。

〝なんでここにいるの〟そう言おうとした私は、はっと我に返って口をつぐむ。


――何勝手に名前呼んでんの、私。


自己嫌悪。

頬に自分の髪の毛が濡れてへばり付く。

その髪の毛をどける余裕も無いくらいに、私は振り向き様の体制で固まっていた。

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