☆俺様のめがね姫☆
その時だった。
私は、信じられない言葉を耳にする。
「──敦陽と別れてくれる?」
「…………え?」
そっと顔をあげる。
そこには、悪魔の笑顔をした里沙さん……
「苛つくんだよね。
あんたすっげー陰なのに、敦陽にひっつき回ってさ。」
周りは準備で忙しくてザワザワしている。
里沙さんの言葉は、私にしか聞こえてなかった。
「な…んで?」
「あんたさ、敦陽が、本気で付き合ってると思ってるの?
いい加減目を覚ましなよ。」
この人は……
何を言ってるんだろ。
「有沢さーんっ
段ボールまだー?」
「あっ…はい」
私は段ボールを持って立ち上がった。
「覚えておいて」
確かに…
そんな言葉が聞こえた。
それがどう意味か分からないまま…私は段ボールを運んで行った。