人神様は人間不信
人神様は人間不信 -2- 触れる
〜10年後〜

木翠 優実(きすい ゆうみ) 17歳 高校2年生


7:20 私はいつもの様に、家を駆け回りながら学校に行く準備をしていた。
ホント無駄にデカイせいで、学校に行く準備をするだけでも息が切れる。
今日の様に目覚ましのセット時間を間違え7時まで爆睡してた様な日には。 (つまり、寝坊……)
. .
「げっ。また居る…」
毎日この言葉を繰り返したは、溜息を漏らす。
小さい頃から私は、何故か普通の人には見えないものが見えるらしい。今私が見ているものも、きっと周りの人間には見えていなものだろう。

何故ソレが「周りの人間に見えてはいないだろう」と断定できるかと言うと、まとっている雰囲気が 生きている人間と明らかに違うからだ。黒い靄の様なものがソレにまとわりついていて、今にも飲み込んでしまいそうだ。
私は、早く全部飲み込まれて仕舞えばいいのにと思った。そうなったら最後霊魂そのものが消えるかもしくは、想いが強ければ悪霊と成り果て人に害なすものとなる。

これが、彼等に与えられた死後の存在の仕方。
『人は死んだら天国に行ってお空の上から大切な人の事を見守るんだよ。』と教えられてきたが、
天国など存在しない。地獄すらもない。
死んだら消えるか、化け物と成り果てるだけ。ただそれだけの存在なのだ。

どちらにせよ私には関係ない。消えるのならそれでもよし。化物に成り果てるのならば、勝手に成り果ててればいい。

人間なんて所詮、誰か標的にして踏み付け上から嘲笑っていないと自分を保つ事すら難しい醜い生き物なのだから…
< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop