待宵草 ~初夏の嬋媛~
私は、藤井叶向。




昔から継続して『漆黒の薔薇』と呼ばれている。





…理由は簡単。
365日、私が黒基準のメイクと服、そして極めつけの真っ紅の口紅を1日たりとも欠かさず見に纏うからだ。





(そして、いわゆる“クールビューティー”というやつだ。)





おまけにあの大型バイクを見て、まずヤバい奴だと思うらしい。(構わないが)

















そして、私がなぜこのたらこ野郎に“妹”と呼ばれるのか。







「兄貴に向かってその目付きはあかん」





とか言いながら、私の赤くなった頬をにょ~んと伸ばす。(私の許可なしに)









…そう、この金髪ハーフ顔たらこ唇オバケは、

私の兄である。






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