待宵草 ~初夏の嬋媛~
当然、この複雑な家庭環境を世間は批判をする。



…昔はよく言われたものだった。





だからあの人と一緒にいるのが嫌で、いつしか避けていたのだか、






…どういう手違いかは知らないがまさかの、同業者で同僚かつ上司部下の関係になってしまったのだ。







もちろん抗議はしたが、バッサリと『カナタ?俺はお前の上司や』と見下ろされ、有無を言わざるを得なかったのだ。(強制的、脅しだ)





…その代わり、兄妹関係を明かさないと言ってくれたので、仕方なくといった感じで、今に至る。


(だから、私は彼のことを『メグルさん』と呼ぶ。)










私の伸びた顔に満足したのか(なんちゅー趣味)、ニヤニヤとお店の鍵を開けた。
















…その横顔が密かに好きなのは、誰にも内緒だ。
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