12月14日
それから、祐希と拓也と恵ちゃん、慶太を送り届けた。
そして、最後にユリアちゃんが残った。
俺は5年前のことをとても鮮明に覚えていて、また2人で話せるのが少し新鮮で、そして嬉しかった。
ユリアちゃんも俺のことを覚えてくれていて、少し心が通じ合ったような気がした。
ただ、ユリアちゃんは5年前のことしか覚えていなかった。
実は、俺はユリアちゃんが3歳の時にも1度会っている。
まあ、そんな小さい頃の話、覚えているはずないか…
俺と話していると少し緊張しているような様子で、昔と変わらないタメ口言葉で話すユリアちゃん。
なんだかとても微笑ましかった。
車を走らせて10分ぐらいでユリアちゃんの家についてしまった。
もうこれから会うことはないのだろうと思うと、少し寂しい気もした。
けど、
ユリア「ま、待って!!!管野さんは、まだこの町の警察署にいるの…?」
俺は、嬉しかった。
まさか、そんな事を気にかけてくれているとは思わなかったから。
管野「おう。もうここに来て6年目(笑)あの頃と変わらず刑事課にいるよ。」
ユリア「…そうなんだ……!ありがとう!また、会える…?」
管野「おう!いつでも電話してきていいし、来たら特別忙しくない時は話聞くから!」
ユリア「そっか!ありがとう!おやすみ!」
そう言って、俺が見えなくなるまでユリアちゃんはずっと手を振ってくれていた。
俺は帰る時、頭の中がユリアちゃんでいっぱいになっていた。