12月14日
管野side
12月15日の夜10時、いきなり電話がなった。
頭の中には真っ先に[呼び出し]という単語が浮かんできた。
俺は急いで風呂から出て電話をとった。
管野「はいもしもし。」
和人「よう。久しぶり。」
管野「ん…?あ、親父??」
和人「おう。元気でやってるか?」
管野「ま、まあ……」
和人「そうかそうか。実はな、お前の番号ちょっと人に教えた。」
管野「………は?何してんの…?」
俺は意味が分からなかった。
和人「いやあ〜実はお前にぴったりの女の子がいてな、連絡先渡しておいたから。」
管野「親父勝手に人の番号教えてどうするんだよ……」
親父はどうやら酔っ払っているようで、呆れた。
和人「いや〜絶対にいい子だからちょっと連絡してみ。一応お前に渡すために連絡先貰っといたから。」
親父は番号を俺に言ってくる。
一応メモはとっておいたけど……随分勝手に色々とされてるんだな…。
管野「…で?俺がその女と付き合えって?」
和人「いや、そういうことじゃない。ただお前には全く女の噂も無いし、まさかそういう人が出来ないんじゃないかと思っただけだ。」
余計なお世話ばかりしてくる親父。
流石にこの年で女が出来たことがないわけないのに…
管野「はは…で、その女いくつ?」
和人「16。」
管野「…ッブッッッッッ」
和人「どうだ良いだろ?」
管野「おいおい…!!いくらなんでも女子高生と付き合うのは無いだろ!」
和人「そんないきなり付き合わなくても高校卒業するまでまずは友達からでいいだろ。それにお前絶対気にいると思う。ユリアっていう名前の子なんだけど、お前覚えてるか?」
管野「え………」
和人「ほら、ユリアちゃんって、13年前に会った子。まあ、覚えてないか。」
そう言って和人さんが笑う。
管野「え?で、そのユリアちゃんが俺と付き合いたいって言ってんの?」
和人「いや、強引に俺がお前を紹介しておいた。でもお前の写真見せたらかっこいいって言ってたぞ。」
─なんだか、少し嬉しかった。
管野「お、おう。それで、この連絡先を俺に渡したっていうことは俺がユリアちゃんにかけろってことか?」
和人「お前が仲良くしたいって思うならな。俺に感謝しろよ〜。じゃ、そういうことで。」
……プッツ-ツ-
電話が切れた。
ほんとに、なんでもなんでもやりたい放題しやがって…。
そう思いながらも、実は頬が緩んでいた俺に、その時は俺自身も気づいていなかった。