この気持ちは、気付かれない。
3杯目を飲み干しても体は冷たくなっていく一方で、全く酔わない。
「優衣は?モテる?」
「私は…告白されたのは1回だけだよ。彼氏がいるので、って断った。」
ぽ、と頬を染めて照れたように笑う。
そんな仕草が可愛くて、わたしにはできないし、秋がそれを見てデレてるのを見てきつい。
「弘くん、モテるでしょう…?」
眉を下げて、心配というか困ってるみたいな表情、上目遣いで山本くんを見る。
わたしは、また頼んだハイボールに口をつける。
「まー告られたときは、好きな女いるんで、って断ってる。」
「そこ彼女じゃねえのかよ!」
「彼女いるんで、っつったら別れろだの2番目でもいいだの言いやがるんだよあいつら!面倒だろ!」
「うわ、モテる男はすげー。」
「だってよ、優衣。なーんも心配することないじゃない。」
「え、えへへ…」
うつむいて、口元を手で隠して。きっとまた、頬を染めてるんだろうな、と思った。
「てかなんで秋が優衣の隣?普通俺じゃね?」
「えっ、気付くのおそ!いーじゃん、この前二人でランチ行った仲だもんなー?」
「ぅえ?あ、うん?」
「えーお前ら2人で飯食いに行ったりしてんの。知らんかったー」
ふたりで、ランチ……