この気持ちは、気付かれない。
「……皐月ちゃんは、いっつも大丈夫って言う。」
「え?」
「皐月ちゃんはいつも!私が聞いても大丈夫ってしか言わないもん!どう見たって大丈夫じゃないのに!それくらい私にもわかるんだよ?!」
優衣は、急に、目に涙をためて大きな声でそう言いだした。
「皐月ちゃんに大丈夫だから気にしないで、って言われたらもう聞けないもん…。私だって皐月ちゃんに頼られたい。頼るばっかりじゃなくて、皐月ちゃんの弱いとこだって聞いてあげたいし支えてあげたいのに!なんでいつも言ってくれないの?」
「優衣、」
そんなことを、思っていたの?
わたしなんかのことを、支えたいって?
「そんなに頼りない?私、高校生の時よりも頼れるようになったよ?皐月ちゃんのことなら、苦しいのも全部私が受け止めてあげられるよ、私が、いっぱい皐月ちゃんに助けられたように、私も助けたいの!」
ぼろぼろと感情を剥き出しにして優衣が泣くもんだから、わたしも涙が出てきた。
今度のは、優衣のことが愛しくて可愛くて。なのに、そんな優衣を裏切ってることが後ろめたくて。
「わたしだって、優衣の笑顔にいつも救われてきたよ。優衣がそばにいてくれるだけで、本当に幸せなの。なのに、なんで、泣くのよ…」
「そう言うけど!でも!皐月ちゃん、私のこと…本当に好き?」
「…え?」
なんて、言った?
「皐月ちゃんは私に自分の話をしてくれないし、いつも笑ってしかない。感情を見せてくれないもん。私の1番は皐月ちゃんなのに、皐月ちゃんの1番は私じゃないよ!!」
唐突に、胸を突き刺された気がした。