この気持ちは、気付かれない。




皐月ちゃんは弘くんのこと、どう思ってるのかな、と思って、少し遠回しに聞いてみた。





「弘くんって、モテるじゃない?」

「そうなの?」

「だってかっこいいもん。」

「惚気か。惚気なんだな。…でもまあ、もう4年以上付き合ってるんだし、何も心配いらないんじゃない?嫌ならもう別れてるよ。」


だから大丈夫。元気だしな?




そう言って、私の心配だけをしてくれた。


優しくて、私を見てくれる大事な人。



とっても嬉しかった。




それと同時に、皐月ちゃんが弘くんにあまり関心が無いのもわかった。


むしろ、弘くんのモテる話なんかは嫌みたいだった。
















そして、久しぶりに4人で会った今日。





少し前に会ったときよりも、皐月ちゃんはなんだかやつれていた。


綺麗で、今にも消えてしまいそうで、儚いって言葉がピッタリだと思った。




どうしたのかと聞いてみても、笑ってはぐらかされる。




大丈夫だよ、はいつからか皐月ちゃんの口癖になってた。





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