この気持ちは、気付かれない。






皐月ちゃんがトイレに行ってる間に一気に飲んだ皐月ちゃんのハイボール。



いつもこんな甘くないものを飲んでるのか。


私とはやっぱり全然違うんだな、って突きつけられて、私は見事に酔いつぶれた。






「皐月ちゃんに、もっと頼ってほしい。」




弘くんと秋くんに零した言葉。




二人とも優しくて、皐月にそう言ってみれば?って言ってくれた。








……だけど、皐月ちゃんを目の前にしてそれを口にしたら、今まで思っていたことが溢れ出してしまった。



あんなに、強く言うつもりじゃなかった。

あんなに、皐月ちゃんを困らせるつもりじゃなかった。


ただ、皐月ちゃんのことが大好きなだけなのに…。





私は、どうも大事な人を大事にしきれないみたいだ。




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