この気持ちは、気付かれない。
真っ青な顔色で倒れた皐月ちゃんを見て、私は我にかえった。
「そんなつもりじゃ、なかったの。」
皐月ちゃん、嫌だよ。
私の前から居なくならないで。
顔も手も体も全部冷たくて、皐月ちゃんが死んでしまうんじゃないかと怖くなった。
皐月ちゃんの言ってた“優衣を傷付けてしまう”なんてのは、全く気になってなかった。
弘くんが皐月ちゃんを抱えて出て行ったあと、私はみっともなく泣いてしまった。
秋くんがずっと、私のことを慰めてくれていた気がする。