この気持ちは、気付かれない。

弘

side：弘




高校の時、優衣と付き合い始めたのが俺の一番の失敗だったと、今でも本気で思っている。



学年のマドンナ、なんて言われていて、確かに優衣は、顔も可愛いし仕草もいやらしさのない純粋なもので、今時珍しいくらい真っ白な女だった。



そんな優衣に告られて断るほど俺は充実してたわけでもないし、惚れた女がいるわけでもなかったから、当然付き合った。




自分がモテることも自覚していたから、彼女がいればその牽制にもなるだろうと思った。


ーーーまさか、足枷になるなんて考えもせずに。










優衣と付き合ってみると、本当に純粋すぎて正直戸惑った。



昔つるんでいた友達にも「お前タイプ変わったな、」何て言われて驚かれたし。確かに俺はもっと大人っぽくて静かな女が好きだったはずだ。



でもまあ、優衣は可愛かった。