この気持ちは、気付かれない。






4人で、モテるだろうって話になったとき。




俺は、彼女である優衣のことが好きだ、って話し方はしなかった。


それは事実だし、もう隠す必要なんかないと考えたからだ。





少し皐月の顔色が悪い気もしたけど、暗い照明のせいで確信は持てなかった。


話していても普通だったし、大丈夫だと思った。




だけど。秋が優衣のことを好きなのを隠そうともしない発言をした時。サッと青くなった。








あー、限界、きたのかな。






こんなにも長く秋のことを思い続けていたんだ。

秋は決して皐月を見ようとしないのに。



限界なんてとっくの昔に超えてたはずなのに、まだもってたほうがおかしかったんだ。






個室を出て行った皐月に、今、俺がついていってもどうしようもないと思ったから一人にさせた。



しばらく経ってからチラリと見てみたらカウンターに座ってマスターと話してたから、立ち直るのが早いのは流石だな、と思って安心もしたし心配もした。





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