この気持ちは、気付かれない。
そこで優衣の「皐月ちゃんに、もっと頼ってほしい」という発言。
正直、皐月にそんなに優衣が不満を持ってたなんて意外だった。
好きすぎて不満、なんて。全然気付いてなかった。
ボロボロと泣き出した優衣と、はらはと静かに涙をこぼして謝る皐月。
どちらを見て、俺が切なくて苦しくなったかなんて簡単だ。
せっかく1人で立ち直って戻ってきたのに、これじゃあ皐月がかわいそうだと思う。
きっと誰よりも我慢したのは皐月だ。
何にも気づけない秋を好きになったから。
意識を失った皐月を抱えて店を出る中、俺はやっぱり優衣と付き合ったところから後悔した。
そして、もう、我慢しないことを決心した。
【結末前 end】