この気持ちは、気付かれない。






そこで優衣の「皐月ちゃんに、もっと頼ってほしい」という発言。




正直、皐月にそんなに優衣が不満を持ってたなんて意外だった。


好きすぎて不満、なんて。全然気付いてなかった。





ボロボロと泣き出した優衣と、はらはと静かに涙をこぼして謝る皐月。



どちらを見て、俺が切なくて苦しくなったかなんて簡単だ。





せっかく1人で立ち直って戻ってきたのに、これじゃあ皐月がかわいそうだと思う。







きっと誰よりも我慢したのは皐月だ。



何にも気づけない秋を好きになったから。






意識を失った皐月を抱えて店を出る中、俺はやっぱり優衣と付き合ったところから後悔した。






そして、もう、我慢しないことを決心した。


























【結末前 end】



< 56 / 111 >

この作品をシェア

pagetop