失恋バレンタイン
私は、君のことが好き。


誰よりも、君のことを知ってるのは私なのに。私は君しか見てないのに。


どんなに長く想っていても、偉くなんてなくて。特等席には届きもしなくて。


私が何年も欲しがり続けた、彼女という特等席をたった数ヶ月で手に入れられるその子が、すごく羨ましい。


「………好き」


一人、部屋で呟くことは出来るのに、なんで君には言えないのだろう。


チャンスは、今年しかない。


今年こそ、言おう。ずっと、言えなかった言葉を。


それで、冗談だよ。って笑って、君を応援してあげるんだ。


頑張れって。応援しているからって。


その時は、きっと、心から言えるはずだから。





< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop