あの頃に戻れるなら〜記憶〜
あの頃はまだ幼かったんだ…。
あの頃はまだ幼くて…幼くて…小学生といえどまだ考えが幼かったんだ。

私は夕希。【ゆき】
父の実家に物心つく前から住んでいた。山と海と空に囲まれ両親と妹弟の中で育った。
山と透き通る海ばかりしかなくて正直飽きていたのかもしれない。
両親にはいつも反抗ばかりで、いたずらしては怒られて妹弟達をよく泣かしてまた怒られて、ほんとに手のつけようがないバカ娘だっただろうね。
春には山菜をとりに行って、夏には光り輝いている海に飛び込んでキョウダイ達と笑って自然とふれあい遊び育った。
私は、長女だということでよく父と料理をしたり下の子達よりも過ごす時間が長かったと思う。
だからその分思い出も多いのかもしれないね。

私は決してこの先も忘れることがないでしょう。
ねぇ、聞こえてますか?
…父さん、、
修学旅行でお弁当を作ってくれてありがとう、毎日三時に起きて寝る間も惜しんで朝ご飯を作ってくれてありがとう。 帰るとコタツの中からよくおどかしてくれた父。お茶目なところもあるけど、無口で怒ると物凄く、怖かった父。
私は、そんな父にいつも『後悔だけはするなょ。』そう、言われ続けていた。
“後悔”私はその意味をよく理解出来なくて、今ではその言葉がよく分かるんだ。





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