続・生意気毒舌年下男子
掌にヘアピンを見せながら笑う二瑚。
あたしは思い切って抱きついた。
「幸来!?」
「馬鹿!心配かけないでよ!」
「心配?」
「あたしにも!
慎くんだって、凄く心配していたよ!?
何で勝手に、どこか行っちゃうのよ!!」
「……良いだろ、別に。
俺がどこに行こうか、関係ねーじゃねぇかよ」
「またそんな寂しいこと言わないでよッ」
行かないでよ。
行かないでよ。
あたしの傍にいてよ。
「てかくっつくな、熱い」
「二瑚~~~!」
「耳元で叫ぶな、うるせぇ!」
ドンッと押されて、あたしは尻餅をついた。
だけど、気にしない。
「一緒に戻ろう、二瑚」
「無理。
あんな幼稚な授業、俺が聞いて何の得になる。
別にテストの点が良いのなら、それで良いじゃねーかよ」
…二瑚って少し自画自賛が多いんだよねぇ。
少し、ナルシストっぽい所があるって言うか。
そこも良いってあたしは思うんだけどね。