続・生意気毒舌年下男子
雫と慎くんと別れ、あたしたちは駅のホームで電車を待っていた。
すると突然、二瑚に頭をはたかれた。
いつものことだから、特に慌てず騒がず対応した。
あたしってこういう時先輩だよねぇ。
「幸来は先輩に見えないけど」
「え?
何でわかったの?」
もしかして二瑚、エスパーなの!?
「顔に全部書いてある。
幸来は単純でわかりやすい。
あと、俺はエスパーじゃない」
あたしは顔をペタペタ触れたり、鏡を取り出して見た。
顔になんて何も書いていないけど……。
「馬鹿。
本当に書いてあるはずねーじゃん。
今時そんなのに引っかかるの、幸来だけだと思う」
「え!?
騙したってこと?」
「騙したわけじゃねーよ。
顔に書いてあるほど、幸来はわかりやすいって意味だよ」
大げさに溜息をつく二瑚。
あたしはふと、二瑚の腕に目が行く。
さっき二瑚の腕を掴んだ時。
凄く細くて、驚いたんだ。
二瑚、最近何も食べてないとか?
嫌な予感ばかり、頭をよぎった。