続・生意気毒舌年下男子
電車に乗りこみ、最寄り駅まで向かう最中。
あたしは隣に座る二瑚に聞いてみた。
「二瑚、今日晩ご飯うちで食べない?」
「は?」
「お母さんも最近二瑚が来ないって言っているの。
たまには来ない?」
「…………」
「部屋もこの間模様替えしたの。
二瑚の意見を聞きたいんだけど…」
前のあたしの部屋は、シンプルだった。
だから、女の子らしい部屋にチェンジしてみたんだ。
二瑚が気に入るかなって思って…。
「……良いけど」
「え?本当!?」
「幸来の心を折るぐらい、厳しく評価してやる」
「何で厳しい評価前提なのよ!」
「幸来の部屋が、俺の好みになるなんて思えない。
天と地がひっくり返ってもあり得ない」
「そ、そこまで言わなくても……」
しかも、二瑚が気に入るよう模様替えしたのもバレてる。
確かにこの間模様替えした時重視したのは、あたしの落ち着き度ではなく、二瑚が気にいるかどうかだっだんだよね。
あたしって、単純なのかな?
「おい、降りるぞ」
「え?もう着いたの?」
あたしは扉へ向かった。
だけど二瑚は立ち上がらないまま、座っている。
「二瑚何しているの?
早く降りないと」
「馬鹿か、よく見てみろ」
駅に書かれている名前は、最寄り駅の1個前の駅だった。
「騙したのね!?」
あたしは再び、二瑚の隣に座る。
「騙したんじゃない。
別の世界に遊びに行っている馬鹿女を戻してやったんだ。
ありがたく思え」
ありがたく思え、なんて。
どこまでも上から目線なんだから!!