続・生意気毒舌年下男子
「おい、降りるぞ」
「ふん。
二度とその手には引っかからないから」
「そっか。
じゃあまた明日な、幸来」
フイと立ちあがり、電車を降りて行く二瑚。
あたしも急いで追いかけ、降りた。
「騙してない……」
「当たり前だろ。
さっきどこの駅で降りそうになったのか確かめたくせに、二度と俺の言うことは引っかからないとか言いやがって。
本当、馬鹿にもほどがある。
馬鹿を通り越して、可哀想になって来たよ」
スタスタ歩きだす二瑚。
あたしは急いで追いかける。
二瑚は手足が長いから、歩くスピードもなかなか速い。
あたしはいつも、小走りだ。
「ほら、乗れ」
「ありがとう」
帰りは坂道がないから、絶叫することはない。
いつものように二瑚の腰に手を回し、あたしは背中にもたれた。
二瑚の体温が当たって、落ち着くんだな~これが。
「くっつくな。気持ち悪い」
両腕をこする二瑚。
失礼にもほどがある……。