続・生意気毒舌年下男子
☆☆☆
雫と慎くんと待ち合わせしている駅前に着いた。
だけど、雫と慎くんはいなかった。
「今は何時だ?」
上から目線だなぁ、と思いながらも、スマホの時計を見た。
「9時だよ」
「確か9時待ち合わせだったよな」
「うん」
「…なるほど」
二瑚は自分のスマホを取り出し、時間を見た。
何で自分のを見ずに、あたしのを見たのだろうか?
相変わらず不思議な人なんだから。
「そういえば二瑚、大丈夫?」
あたしはこの間、家でご飯を食べたことを思い出した。
二瑚はあの後、お母さんに“だけ”「ありがとうございます。ご馳走様でした」と言い、そのまま挨拶もそこそこに帰ってしまったのだ。
メアドは交換しているから、『大丈夫か』とメールしはしたけど、普段二瑚は返信しないから意味はなかった。
それから今日まで、あたしは聞かずにいたのだ。
聞いてはいけない内容な気がして……。
「何がだ?」
二瑚も忘れていたのか、首を傾げて聞いてくる。
可愛い、なんて言ったら怒られるだろうから、言わない。
怒られるって言うか、二瑚の場合毒を吐いてくるから、言わないでおく。
その方が、身のためだと、あたしは知っているから。