続・生意気毒舌年下男子








「わ、笑わないでよぉ!」



真っ赤な顔して笑う幸来って、本当に年上に見えねー。

だけど、年上なんだよな。

本当に健気なのは、幸来なんだよな。



後先考えず突っ走って。

例えそれが空回りになっても気にしなくて。

俺とは正反対。




「どこ行くんだ?」

「さっき美味しそうなご飯屋さん見つけたの。
そこ行きたいな!」

「じゃ、案内してくれるか?」

「勿論!」



俺の手を握ったまま歩きだす幸来。

俺もそっと、その手を握り返す。




「そういえば二瑚」

「何だ?」

「寂しくなったら、言ってね」

「え?」



聞き返したけど、幸来は何も答えてくれなかった。





寂しくなったら、言ってね?

どういう意味だ……?




その言葉の意味を、

俺はまだ、知らなかった。






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