続・生意気毒舌年下男子
いつものあたしと君
☆☆☆
ダブルデートから帰って2日後。
「遅刻遅刻遅刻!」
あたしはいつものように、朝バタバタしていた。
パンを鷲掴み、急いで玄関へ向かう。
「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい、気を付けてね」
エレベーターを待つことなく、階段を駆け下りる。
そして、エントランスにいる彼に声をかける。
「おはよう二瑚!」
「相変わらず遅いな」
「別に良いでしょう!
ほら、行くよ」
「遅刻してきたくせに偉そうだな」
「早く早く!」
あたしは駐輪場から自転車を持ってきて、後ろに腰かける。
二瑚が前に乗り、その腰に手を回した。
「やっぱりこのぐらいのスピードが良いよねぇ」
「そうだな。
前のスピードは速かったしよ」
「そのスピードにしていたの、二瑚だけどね」
「…………」
自分に都合が悪くなると黙り込む。
二瑚の悪い癖だと思う。