続・生意気毒舌年下男子
慎side
俺は、姉ちゃん…雫が好きだった。
きっと、一目惚れだったんだと思う。
雫が初めて家に来たのは、俺が中学生の頃。
お父さんを亡くして、親戚である内山家に引き取られたのだ。
初めて雫を見た時から、俺は雫に夢中だった。
当時俺に彼女はいたけど。
彼女はとんでもない浮気性で。
浮気しないと生きて行けないような人だった。
そんな女と付き合っていたんだ。
当時俺は、女に対して不信感を抱いていた。
最初、雫のことを良いなとは思ったけど。
義理でも姉弟だし、雫は女。
信じられるわけなかった。
だけど、雫は俺に優しかった。
両親の帰りはいつも遅く、俺は毎日夕食はカップ麺とかコンビニ弁当だった。
だけど雫が来てから、雫が毎日夜ご飯を作るようになった。
母親を幼くして亡くした雫は、小さい頃から母親のように、家事や炊事をこなしてきたんだ。
最初は信じられなくって、夜ご飯を残していたけど。
毎日諦めずに作ってくれる雫に感謝し、食べるようになった。
そして徐々に、女は相変わらず苦手だけど、雫に対してだけは明るく接するようになって来た。
雫も男は苦手で、あんまり話さなかったみたいだけど。
俺にだけは、優しくしてくれた。