男っぽい女の子の恋愛事情。



「加藤、嫌がってんじゃねぇかよ。
そんなこともわかんねぇのか、このクソ教師!

推薦とか絶対不公平になんの、分かんないわけ?

なんでやりたくない奴がやんなきゃいけねでんだよ。
んなことしたら、楽しめねぇだろ」



私は一気にまくしたてる


口を開けて突っ立っているクソ教師



そして呆然としている生徒



「天野さん…」


加藤は顔を青くしながらこっちを見る



「加藤もさ、やりたくないんならやりたくないって言えよ。

そんなんだから、いいように使われんだよ」


「ごめんっ、なさい…」




「ちょ、天野さん!?」



取り乱している花沢


「なに?」



「っ……」



少し睨んだだけで花沢は大人しく席に着いた



「先生、私、花沢を推薦します」



だったらコイツがやればいいんだ


「は、花沢、どうする?」


「い、いやですっ!

だったら天野さんがやればいいじゃないですか!」


「天野、どうする?」



このクソ教師はそれしか言えないわけ?



私に話を振られて、フンと笑う花沢


あー、うざ




だったら…



「私、やるよ。実行委員」



やってやろーじゃねぇか


私は微笑みながら花沢を見た



「凛…!」


萌が慌てている



「えーっと、じゃあ、まかせても、いいのかな?」


少し控えめに聞いてくるクソ教師



「はい」


私は返事をして椅子座った


体育祭の実行委員とか、楽勝だろ


「じゃ、女子の実行委員は天野さんに任せて……」



…は?


" 女子の " ってことは男子もいるわけ?




「あと1人、男子も選ばなきゃいけないんだけど…」



まー、誰でもいっか



「俺、やります」



ん?


そう言って手をあげたのは


「お、山口、やってくれるのか!」



まぁまぁ人気のある山口 陸 - Yamaguchi Riku - だった



「ほかにいないか?」



………。



「はい」



お!?

その声は意外にも隣からきこえた


「優!?」


「俺もやりたいです、実行委員」



「おー…んじゃ、山口か高野、多数決でいいか?」



「「はい」」



山口か優か……


個人的には優の方がいいな


だって喋れるし?


楽しそうだし?


そう思った私は優に手をあげた



「……顔あげて
結果…高野になった
じゃ、天野と高野、頼んだぞ」




「はい」



女子からは「私やればよかったー!」「凛ちゃん羨ましい!」とか、不満の声が聞こえた



「よろしく」


「おう。
へまやらかすなよ?」


「優じゃないからだいじょぶ」







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